お仕置きとして鞭打ちを行なう場合には注意が必要である.厳しく鞭打ち場合には通常,背中かお尻が対象とする場所になる.そこが,もっとも打撃に耐えられる部位であるから.背骨を鞭打つ場合には注意して行なわないと,脊椎が皮膚に近い部分を刺激すると,皮膚が切れやすく,大きなダメージを与えてしまうことがあるから.
また腎臓を強く打つと障害が発生するから,腎臓の近くを笞打ってはならない.首も背骨と同じ理由で除外しておこう.
少し強く鞭打つと(思ったより軽い鞭打ちかもしれないが....),皮膚にあざができ,さらに続ける,肌に傷がついてしまうことになる.これでは安全なお仕置きとはならない.皮やひもの鞭は洗う場合には作業が面倒になる.軽い鞭打ちでも出血にいたる可能性のあるものについては,自分専用の道具を持参するような専門的な立場をとった方がいいだろう.それらの道具は自分が限定したパートナーにしか使わないということである.このような鞭打ちは激しいものになりがちだが,他のお仕置きと同様に,軽い刺激から始めてパートナーにも慣らして確認しながら,自分の好きなレベルまで実行すればいいのである.鞭打ちによるあざは大きなものでも自然に治癒するが,あとに残るようなあざは鞭打ちとしては,かなり深いレベルの関係に達しているから,相互に注意していないと,重大な事態に至る恐れがある.通常のあざは直るが,軽い切り傷や擦過傷程度までであれば直る.しかし,ある程度なれ合ってくると,この程度の刺激ではすまない状況にまで踏み込んでしまう場合もあるから,不慮の怪我を避ける冷静さがいつでも残っている段階で終了しなければならない.
気を付けること(可能性は少ないけれども知っておいたほうがいいこと):黒色腫(皮膚癌の一種;メラノーマ)は,皮膚の外傷により悪化する場合がある.パートナーの背中に,でこぼこし変色した痣,普通とは違った痣があるようであれば,その部分を避けて,直ちに皮膚科の医師に相談したそうがいいだろう.
鞭打ちは人間同士を直接的に触れ合うための手段である.
お仕置きとして鞭で叩くのは,間違いを犯したからである.
スパンキング・プレイとして楽しめるのは,お仕置きを加える側だけだろうか?
鞭打ちされる側は痛みを感じるだけで楽しいことではない.
鞭打ちはお仕置であり,皮膚に強い刺激を与え,心地よい痛みとして感じ取れるだろうか.
しかし長時間に渡って鞭打ちを続けた人には,鞭を振り下ろす作業によって次第に手が疲れてくることをしっているだろう.
もし素手で叩いていれば,お仕置きを加える側もすぐに手が痛くなってしまう.
だから鞭を使うのだ.もっと長時間,疲れることなくお仕置きを加えられるように.
鞭にはさまざまな種類がある.西洋には九尾鞭(cat-o-nine tails),重さのある鞭,籐製の笞,網鞭,スエードの女性器用の鞭等など.
それぞれの道具によって,打たれた感覚に違いがあるが,さらに固有の打撃効果がある.
鞭打ちを好む仕置き人は,いろいろな鞭を用意しているがそれらの道具はすべて相手と接触することの延長にある.
実際に,お仕置きとして鞭打つときには,道具にも叩き方に応じた手応えが返って来るから,強く叩けば叩くほどに,皮膚に直接触っているのと同じような,鞭は仕置き人の手の,そして欲望の延長のように感じられるのだ.
お仕置き用の道具として,鞭にさまざまな種類があるのには理由がある.
お仕置きとして鞭を打つ場合には,パートナーをその気にさせて,その状況で鞭打ちのリズムを持つように,軽く小さな鞭を使って軽快に皮膚を打つものから,鞭打つたびにかなり大きな打撃を与えて,パートナーに深く,そしてより多くの刺激として鞭打ち感覚を受け入れることができるようになる,痛さにも慣れるから,仕置きをする側は,少しずつ重い鞭に変えていく.
もちろん,仕置き人はパートナーを思うがままに鞭打つ触覚の旅に誘うことが可能だ.
軽くしなやかな鞭から,鋭い笞,やわらかな羊毛に変更したりしてもよいだろう.(鞭で打った後に,突然ベルベットで背中をなでてやるのは,素晴らしい快感かもしれない.氷や冷水でもよいが......)
これらの作業はすべて,相互の快感を得るために行なうことなのだから......
お仕置きにおいては,鞭打ち行為を強打(thuddy)か,刺すような(stingy)痛みに感じることが多いだろう.
強く叩く鞭はしっかりとした衝撃としてのインパクトを皮膚に与えるのが特徴といえる.
パートナーを押しつぶすような,抱擁とパンチの交差のような感覚を与えられればいいのだから.
刺すような痛みを感じさせる鞭は細い竹のような棒で刺すような感覚で刺激を与える.
いわば,ひっかくような痛みと平手打ちの中間のような痛みを感じられるのだろう.
どちらの感覚もそれぞれにお仕置きする側としては楽しい手応えが感じられる.
これがお仕置きする場合には,2種類の鞭を使って鞭打ちを交互に行ない,パートナーに痛さの感覚に慣れることなく刺激することによってエクスタシーに導き快感を得るためでもある.
鞭打たれる場合には,はじめは弱く,しだいに強く刺激されるのが好きな人が多いようだ.
このように鞭打ちをすると,相互に爆発するようなクライマックスを迎える状況に到る場合もある.
しかし鞭打ちは,お仕置きをするほうも叩く作業とその手応えを感じながら行なうと,結局仕置き人も,パートナーも鞭打ち作業の結果として疲れ果て,相互に満足感が得られればそれで十分であろう.
別の方法としては,再び徐々に鞭打を弱くして,自然に止める場合もある.
突然に鞭打ちからトランス状態に移行してしまい,そこで鞭打ちを終了する場合もあるだろう.
鞭打ちから興奮状態に入り,にわかにSEX行為に移行する場合もあるのだから.....!
しかし,一般的に「はじめはゆっくりと,段々強く,最後には強烈な一撃で」というような刺激を与える順序が通常の鞭打ち作業では普通に行なわれる.
はじめは優しく,だんだん強く,強烈に,そしてまた優しい鞭打ちに戻り,また強く,激しく・・・ 海の波のように.パートナーの不安な心理を吹き飛ばすためには,ある程度の練習が必要なのだが,鞭打ちは練習すればするほど,その技術は向上して行く.そして,パートナーを鞭による刺激でもてあそんび,快感をもたらすことのできるほどの鞭打ち技術は,お仕置き以外にも使い道があるのだ.
鞭だけではなく,ラケットのようなパドルを使うお仕置きもある.パドルは素材が皮製か木製だが,なかには空気抵抗を減らして打撃の際のインパクトを強くするために穴を開けたパドルも用意されている.パドルのインパクトは強く,非常に強力な打撃を皮膚に与える.籐製の笞を好む仕置き人もいるが,細い笞,太い笞,堅いもの,柔らかいもの,いろいろな笞がある.笞による打擲はもっとも強烈な部類に入りが,「ピシィッ!」という笞の素早い動きは独特である.笞による,標的を絞った痛みにすべての人が耐えられるわけではない.しかし,耐えることのできる人には,ものすごい快感を与えているようである.木製のスプーンや料理用のヘラも笞うちに使われてきた.
米国の西海岸のサンフランシスコのお仕置きパーティでは,「ボコッ」という打撃感のある小さなバットが,よく使われていた.
鞭打ちやスパンキングは通常お仕置に使われている.パートナーが命令に服従しなかったり,行儀が悪かったという理由で,お仕置として鞭打ちをするのだ.ロールプレイとしては楽しいのだが,より長期間に及ぶ奴隷とご主人の支配関係においてはうまく機能しないことが多いようだ.奴隷ににとっては,傷にならないような刺激を受けるのはエロティックである.もちろん,永久に残るような傷をつけるような場合には安全でなければならない.健全で楽しい鞭打ちを受けるために,パートナーが服従しないようになってしまうとお仕置きする関係性が崩れてしまう.
あくまでも楽しむための「プレイ」としてのお仕置と,取り決めを破った場合の「本当の」お仕置を区別する必要があるのだ.現実とファンタジーを微妙に区別しなければならない必要があり,現実の世界と,「架空の世界」であるお仕置きが違ってくるのはこのような場合である.

