「ツイン・オッター(Twin Otter:2頭のかわうそ)」という名の双発エンジンを装備したプロペラ旅客機が2006年3月一杯で運航を終了する.
ツイン・オッターの型式名は,「DHC-6-300」でカナダの航空機メーカーだったデ・ハビランド社(現在はボンバルディア社に引き継がれている)が製作した未開地域向けの探険用輸送機として1965年に登場した. 19人乗りで客室は与圧されないが,主翼が胴体の上に配置された高翼タイプだから客室からは地上の見晴らしがよい.未整地の滑走路から離陸可能な頑丈な車輪と,3枚のプロペラが機体の両側でまわって300km/hで島まで飛んで行くクラシカルな味のある飛行機である.
ツイン・オッター(DHC-6)は,離着陸性能もすぐれていて,800m程度の滑走路から発着することができ,離陸直後に素早く上昇して高度を上げて行くから,離島や極地での飛行に利用されてきた.
日本では1970年代に,沖縄の離島(YS11が就航できない路線),北海道の離島を定期便で運航する路線に投入された.しかしここ数年は,赤字運航のため就航路線が減り,とうとう現役で飛び続けているDHC-6ツイン・オッターは北海道の函館〜奥尻島間を飛ぶ1路線だけとなった.しかしこの最後の小型プロペラ機による運航も,2006年3月一杯で終了してしまう.
函館空港から奥尻島までは74マイル(119km)40分足らずの洋上飛行だが,体験できる最後のチャンスに行こうよ
函館発は,9時30分,午後1時,午後3時20分
帰りの奥尻島空港発は,10時30分,午後2時,午後4時20分となっている.
現在は1日3便が運航されているわけだ.運賃は1万3180円(片道)である.
日帰りの空旅であれば,奥尻島で6時間ほどの観光が行えるのだ.
帰りは,日本海を船で揺られて渡るフェリー(江刺〜奥尻:2100円/2時間10分,または瀬棚〜奥尻:1560円/1時間40分)という選択もできるから可能である.
笹本稜平さんの「極点飛行」に出てくるDHC-6がどんな飛行機かを体験するラストチャンスとなる.
マイクロバスみたいな窮屈な離島の足代わりとなった小型機の旅になる.
関東地区からであれば,日帰りで2種類の航空機に乗ることができる.
羽田を6時45分に出発するANA4781(エア・ドゥ)に乗れば8時5分に函館に到着する(424マイル).
函館空港発は午後6時55分のANA864(B767-300:双発のジェット旅客機)があるから,これに間に合えば,羽田空港には午後8時15分に戻れる.
奥尻島を見て歩くのであれば,まず「鍋釣岩」(鍋のつるの様に中が空洞になった高さ18mの大岩)だろう.もうひとつは,地震後12年が過ぎると,この程度まで復興できるという現状を眺めながら,
奥尻島津波館(北海道南西沖地震は1993 (平成5)年7月12日午後10時17分に奥尻島に大きな被害をもたらしたが,その災害の記憶と教訓,全国から寄せられた復興支援への感謝,それらを記録した).
奥尻島津波館の展示スペースは災害によってなくなった198人を悼む「198のひかり」や,災害の記録を映像で伝える「映像ホール」,そして震災の記憶だけでなく島の遺跡から発掘されたヒスイの勾玉(複製)や遺物を展示した「勾玉物語」など7つのテーマにわかれている.
「映像ホール」(50人収容)には,二つの作品が公開されていて,「災害の記憶」は北海道南西沖地震の発生メカニズムから災害の規模,復興への姿がつづられたドキュメントで,もう一つの「海の記憶」では,専用の3Dメガネをかけて立体映像である.
このほかにも,道南五霊場「賽の河原」,北追岬公園,球島山,佐藤義則野球展示室などがある.
もちろんエアー北海道も「ツイン・オッターお別れセール」を10月1日〜3月31日まで実施している.
奥尻島空港の滑走路を1500mに拡張する工事が行なわれているが,たぶん2006年3月に完成するらしい.
残念ながらエアー北海道もツイン・オッターとともに舞台から去って行くらしい.
函館〜奥尻島間の航空路線は,どこが引き継ぐことになるのだろうか?

