フランス製の高価なブラジャーがピンと尖った形状のバストに仕上げるのに比べれば,イタリア産ブラジャーにはどこかまるみがついていて全体的にふっくらとしたオッパイ・ラインが特徴とされるのだろう.
つまりフランス製はあまり伸びることもなく,そして生地がやや硬めなのに,イタリア製は生地がほんとうに柔らかく出来ていて,女性の体を割合とマージンを持って傷つけないように考えているようである.
フランスも日本もブラジャーのサイズ展開は65Aや70Cと言うように,アンダー・バストとカップ・サイズで細かく分けられている.これに対してイタリアものは1,2,3のサイズしかないが,購入者が自分に適したカップのサイズを選ぶと,アンダーが長過ぎるようであれば適宜に調整して修正して使用者の乳房に適合させる,という発想である.ほっそりして胸が大きめな女性はともかく,体の幅が非常に大きな女性はどうすればブラジャーがあうのだろうか?
ラテンの人々は他の国に較べると,アバウトと言うか大らかな考え方で商売をやってきたのだからそれでいいのだろう.でも,さすがにイタリアである.いい加減なようではあるが,どこにも負けない素晴らしいものを作ってしまう,という文化はランジェリーの世界でも活きているようだ.
というわけでフランスのシバリスがブラジャーの王様というのであれば,イタリアのラ・ペルラ(一粒の真珠という意味)は女王と言ってもいいのだろうか.もちろん高価な下着だから価格も女王様クラスであるけれども,繊細なレースとの組み合わせや上質の生地,優雅なデザインはもう宝石じゃないか,と言った感じのおしゃれな高級下着といえよう.
しかし...,シバリスを始め,その他のフランス勢が「寄せて上げる」という補正系ブラジャーとなっているのに対して,ペルラは貧弱な乳房には何の底上げ調整はしないのである.つまりイタリア製はノーブラでも完璧な胸のプロフィールを誇っている人のためのもの,という方針があるのだろう.というわけでこのブランドに憧れてる女性は多いのだけれども,実際に下着をつけて服を着てしまうと,現実にはただの貧弱なボディがそこに存在していることになるので,ラ・ペルラは「着ける人を選ぶブランド」と言うことでブランドを確立しているのであろう.
またイタリア製は他の国と比べて,形状の補整力という点では機能は劣るのかも知れないが,自然体としての女性本来の美しさを大切にしているということだろう.たとえば,ラ・ペルラと同じイタリアのボローニャ地方で製作されているエクセリアがある.
イタリア製の下着は一般的に,ワイヤーの円周が大きめに設定してあり,乳間も広めになっているから,胸はやや外側を向くように着付けられることになる.これは乳房の上ではなく,あえて下の部分を強調することによって,ふくよかなオッパイ・ラインを構築する,というところがいかにもラテン的であろう.このように紹介すると,熟女的な胸元をイメージしがちだが,これが不思議なことにあまり野暮ったくならずに,意外なことに官能的な大人の姿態に仕上がっているのである.
もう,気分はモニカ・ベルッチ!(自己満足の範囲では).
ラ・ペルラと異なりそこそこに補整力があるエクセリアこそ,貧弱な上半身ボディさんにはオススメの一品といえよう.
このようなブラジャーの着心地の良さを経験してしまうと,女体を拘束してシルエットを整えるシバリスとどっちのブラジャーを女性は身につけるのだろうか?
ところが実際のイタリア女性というのは,若い時はスタイルが良くて非常に美しくても,年齢を重ねるといつの間にか太った体型になってしまう(ソフィア・ローレンなんて典型的なイタリア女性体型なのでは...).
だから「ありのままが美しい」が本音のイタリア女性は,おおらかな性格だから,体型の自己管理も甘いようである.
つまり一般的な日本女性であれば,「やっぱり,たまにはシバリスを引っ張り出して,お肉が脇に流れるのを食い止めてプロフィールを補正しなきゃだめ」ということになるのだろうか.

